北坂養鶏場

はたらく人はたらく人

「今日も楽しかった~」が花マル!

直売所 リーダー:北坂由紀さん 2022年3月

北坂養鶏場は、さまざまな「はたらく人」の手を介して生産物をお届けしています。鶏に関わる人はもちろん、たまごを製品として出荷する人、加工する人、さまざまな人たちの仕事が重なり合って北坂養鶏場として成り立っています。「はたらく人」は、ここで営みを重ねる人たちの、はたらきぶりや暮らしぶりを探っていく連載です。第三回目は、直売所リーダーでもあり、北坂社長の妻でもある北坂由紀さんにお話を伺いました。

直売所で何やってるの?

-北坂由紀さんは、直売所でリーダーを担当されているそうですね。直売所はいったいどんな場所なのでしょうか? 直売所は一般のお客さんに北坂養鶏場を知っていただく窓口のような場所です。北坂養鶏場ができて50年以上になりますが、直売所ができたのは2015年のことなんですよ。一般のお客さんにも気軽に北坂たまごを手にしてもらえたらと生まれた場所です。

-北坂由紀さんは、どんなお仕事をされているんですか? たまごやプリンの販売以外に、個人宅向けのたまごの発送、電話での受注対応などが主な仕事です。私は朝一番にここに来て、レジをあけ商品の補充をして、アルバイトのみなさんが来てくださる前にお店をオープンする準備をします。人手が足りていればお店はおまかせしますし、人手が足りないときはお店に立つこともあります。

-直売所はたまごの販売だけではなく、ちょっと腰をかけて休憩したり、ヤギが放牧されていたり。ゆっくり過ごせる場所になっていますね。 田んぼに囲まれたのんびりとした雰囲気で、私もこの場所に来ることはちょっと楽しみなんです。気候がよければ、たまごプリンを買ってここで食べて帰ってくださるお客さんもいらっしゃいますよ。

実は、鶏が苦手……笑

-北坂由紀さんは、直売所のリーダーでもあり、北坂社長の妻でもあるんですよね。ご結婚されてすぐから、北坂養鶏場のお仕事に関わってこられたのですか? 結婚してすぐの頃は、淡路島の企業で働いていたんです。実は私、鶏が苦手で……笑。だからといって「関わりたくない!」という意思があったわけではなく、別の仕事をしていたので、北坂養鶏場ではたらくことを想像してなかったという感じです。

-いつ頃から、北坂養鶏場のお仕事に関わるようになったのでしょうか。 ひとり目の娘が生まれたのが2006年で、その前後から事務や経理を手伝うようになりました。この年は、北坂プリンが誕生しプリン工場ができて、さらにお義父さんが亡くなって社長が主人に代替わりした年。目まぐるしく色んなことが起きたので、当時の記憶がないくらいです笑。

-最初は事務や経理を担当されていたんですね。直売所ができた頃からリーダーを担当されているのですか? 直売所ができたのが2015年、まだまだ私は子育て真っ最中でした。直売所を2年ほどメインで担当してくれていた方が結婚を機に離職されることになって、バトンタッチするように私が担当することになりました。

-割と最近の出来事なんですね。 ありがたいことに直売所も人手がいるような場所に育ってきましたからね。今では平日で60組、100人くらい。週末になると90組、200人以上の方々が訪れてくださっています。

-直売所は何人のメンバーがいらっしゃるのでしょうか。 いまは4人のアルバイトさんと、私の5人で運営しています。当初は一日1人でオープンできていたのですが、いまは電話対応や発送なども担うようになったので、2人体制で仕事をしてもらっています。子育て中のお母さんや、写真家さん、パンづくりが得意な地元の女性など、多様な個性の方々が直売所ではたらいてくださっています。

おもしろい人がよく来てくれます

-直売所にはどんなお客さんが来られるのですか? 最近は大阪や奈良、島以外の遠いところから来てくださる方が多いです。直売所は、少し入り組んだ場所にあるのにも関わらず「迷いながら到着しました~」なんて笑いながら言ってくださる方がいたりして……。たまごってスーパーでもコンビニでも売っているのに、こうやってわざわざ足を運んでくださることは、当たり前じゃなくて、とてもありがたいことだよなって。

-今お話を伺いながらも、絶えずお客さんが来られていますね。 「近くのお店で食べたんです」とか「神戸のマーケットでお会いして」と、直売所に来てくださることに驚きます。オープンしたときはこんな直売所になるなんて思ってもみなかったですから。「これみなさんでどうぞ!」って果物を差し入れてくださったり、毎週橋をわたって10パック以上のたまごを買って帰ってくださるお客さんもいらっしゃったり。

他にも淡路島でお店をはじめるからって、カフェやレストランの料理人さんが訪ねてきてくださることもあれば、地域づくりを学ぶ学生たちがインターンに来てくださることもあります。ここにいると普段出会えない人たちにたくさん出会うことができます。

-何度も訪れてくださることはうれしいことですね。 ほとんどの時間、私以外の4人のメンバーがここに立ってくれています。なんとなくみんながお客さんにしている声掛けだったり行動だったりが、直売所の居心地をよくしてくれているんだと思うんです。みんなが直売所の何気ない雰囲気をつくってくれていて、お客さんが気持ちよく帰ってくださって、また友だちや知り合いを連れて訪ねてくださるのかなって。

リーダー?チーム?

-直売所のみなさん、とっても心強いメンバーなんですね。 リーダーと言っても私が○○しておいてください。ってお願いすることはなくて、出荷などの予定表があって、それぞれが確認して仕事を進めてくれます。みんな働き者だしフラットな関係性で、直売所にいるのはすごく楽しいです。

-「直売所のチームづくりをしている」そんな意識はありますか? まったくないですよ笑!もちろん忙しくて必死なときもありますが、直売所メンバーのみんなも私と同じように「今日も楽しかったな~」って、帰ってもらえたら花マル!私の座右の銘は「楽しかったら、勝ち!」なので笑。みんなとそういう直売所にできたらいいなと思っています。

-ちょっと答えにくいかもしれませんが、北坂由紀さんにとって北坂養鶏場とはどんな場所ですか? そうですね、「みんなに出会える場所」でしょうか。初対面で「北坂養鶏場です」って名乗ると、食べたことあります~って言ってくださる方もいて、それだけでちょっと心の距離が縮まるんです。

他にも、直売所ではたらくみんなや、訪ねてくださるお客さん、北坂たまごを使いたいと訪ねてくださるみなさん。普通の仕事をしていたら、知り合ってなかったかもしれないなという人たちにたくさん出会ってきました。北坂養鶏場にいるから、友だちになれた人たちもいます。たまごひとつで、こんな風に人とつながっていけるんだなって。「ここにいるから、出会える人がいる」。それが楽しくてうれしくて、日々感謝の気持ちでいっぱいです。

北坂 由紀 直売所リーダー担当

北坂由紀さんのとある一日

6:30
起床
7:30
家族の朝ごはんや家事を済ませる
8:00
家族を送り出す
8:30
直売所の朝の準備、レジを開けたりたまごを陳列したり
9:30
直売所メンバー到着、バトンタッチ
出荷準備・直売所の補充・電話対応
16:00
帰宅して家族の晩ごはん準備
19:00
晩ごはん
22:00
就寝

 北坂由紀さんを知るQ&A 

おすすめの景色:北淡中学校から見える海の景色、疲れも吹き飛ぶ。
うまくいかないときの対処法:くよくよしない!
最近気になってること:娘の受験結果。(後日、見事合格!)

みんなからみた北坂由紀さん

・いつも誠実。みんなを温かく、遠くからも近くからも見守ってくれている。
・太陽のよう。もう一人の母やお姉さんのような存在。
・話し上手でおもしろい。
・お客さんもユキさんが大好き。「ユキさんへ」とお野菜などをいただく。